作家 山本文緒さんいわく「結婚は少しくらい不幸でいい」

2020.10.24 理想と現実 本音と建て前 , , , ,

作家 山本文緒さんの著書「自転しながら公転する」が、結婚にほんろうされる若年層を中心にひそかに人気が上がっているとのことです。
主人公は32歳の非正規社員の女性。いったいどんな内容なのでしょうか。また私たちに問いかけていることは何でしょうか?

「自転しながら公転する」山本文緒 著
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結婚とは何か、つくづく考えさせられる内容

7年ぶりに新刊を出版した山本文緒さん。主人公は非正規正社員で働く32歳の女性です。親の看病を理由に、東京から茨城県に引っ越しました。
彼女の勤務先はアウトレットモール。同じくアウトレットモールの回転寿司屋で働く男性に恋心を抱きます。
その男性には一般的に婚活ウケするスペックは何一つありません。この人と結婚してもいいのか・・・主人公は悩みます。そしてその男性にも、結婚をためらう後ろめたさや暗さがあります。
周りからは「幸せ原理主義」と言われている主人公。しかし彼女は「この人がいなくなっても生きていける」と確信するに至り、物語はさらに展開していきます。

昭和のトレンディードラマはもはや古典芸能

昭和のトレンディドラマには「この人がいなくちゃ生きていけない」という素敵なセリフが存在し、多くの女性から支持を得ました。しかし令和に入った今、そんなことを言っていたら本当に生きていけません。
不安を抱えて生きるのは主人公だけではありません。母親は更年期障害に苦しんでいます。父親は持ち家を維持するのに大きな心労・苦労をしている様子です。
そして二人が出した結論はちょっと意外なことだそうですが・・・

男性には「所帯を持って家を建てて家族を養ってなんぼ」という古い価値観が残っています。
しかし、今の若年層は少ないお金で充実した生活をする価値観を構築しなければならず、これはこれでとても素晴らしいことです。
今の50代60代もこの価値観を学ばなくてはいけない、と思っているそうです。

結婚は少しくらい不幸でいいと言い切る潔さ

連載を終了したあとに加筆したエピローグに主人公が「結婚は少しくらい不幸でいい」と言い切っており、とても印象的に映ります。
山本さん自身は「結婚願望」や「再婚生活」というエッセーも出版しており、結婚制度はわからない、3人でもいいのではとも思うと語っています。

確かに、結婚することで自分の要求が全て満たされる、とは思わない方がいいでしょう。
同じく、自分の理想を全て満たしてくれる人が見つかるまで結婚はしたくないと考えていたら、いつまでたっても結婚はできません。

結婚しても少しくらいの不幸はあたりまえと考え、お互いに期待し過ぎない関係性を保った方がお互いのためなのでしょう。

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2020年10月24日(土)朝日新聞朝刊より出典しています↓

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